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ハースストーン/Hearthstoneにおける、強いデッキと使い方をまとめています。

【特集コラム】2019年ハースストーン・グランドマスターズを振り返る。

11月2日に開催され、中国のVKLiooon選手の優勝で幕を閉じた『ハースストーン:グローバルファイナル』。
この記事では、ハースストーン:グランドマスターズを巡って起きた出来事を振り返っていきます。

ハースストーングランドマスターズとは

ハースストーングランドマスターズとは2019年シーズンから始まったリーグ制の大会で、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの3地域からそれぞれ16名の計48名によって争われました。

初年度である昨シーズンは選手はそれまでの実績や貢献によって選抜され、参加褒章として年間140万円の賞金と、全てのマスターズツアーへの参加権利が確約されるとともに、1試合勝利する毎に5万円の賞金が追加されるなど待遇も含めて中国以外では初のプロリーグとして注目を集めました。

また、期間中は各地域毎週金曜日と土曜日に5試合、日曜日には6試合の模様がtwitchにて配信されます。
これにより今までは選手権でしか見ることのできなかったトッププレイヤー達のプレイを存分に見ることができるようになりました。

各地域で優れた成績を収めた選手達は年に一度のブリザードの祭典、BlizzConに招待され、世界一の座を掛けて争います。
今年優勝したのは、中国のVKLiooon選手。
初開催のグランドマスターズファイナルで、女性として初、中国地域の選手として初と、初物尽くしの世界王者となりました。


劇的な幕切れとなった今年のグランドマスターズ。
しかし、今年のグランドマスターズを巡っては少しほのぼのするエピソードから、twitterで話題になった事件まで様々な出来事がありました。
そこで今回のコラムでは、2019年のグランドマスターズで起きた様々な出来事の中から筆者が特に印象に残ったものを取り上げ、振り返っていきます。

エピソード1. 選ばれなかった男

グランドマスターズの概要が存在が発表されたのが2019年2月21日の公式記事
ラスベガスで行われる最初のマスターズツアーの予選の開始を知らせるとともに、その上に「マスターズツアーイベントで安定して上位に入ることができれば、招待されることは間違いない」というグランドマスターズの存在が明かされました。
招待条件を含めて詳細はこの時点では不明でしたが、3月6日から開催されたマスターズツアーラスベガス予選にはその高みを夢見て、多くのプレイヤーが参加しました。

ラスベガス予選開始からおよそ1カ月が経とうとしていた3月27日、公式サイトにてハースストーン・グランドマスターの概要がついに発表されます。

南北アメリカ・ヨーロッパ・アジア太平洋の3つの地域から16名ずつ計48人のプレイヤーが参加すること、初年度の選手はブリザードの招待によって決定されること、各地域でマスターズツアーの最多賞金を獲得した選手が入れ替わりで2020年に招待を受けることがここで初めて公開されました。

その枠の狭さと難易度から、特に熱心に活動しているヨーロッパの所謂セミプロプレイヤーを中心に様々な意見が沸き起こりますが、水面下では既に候補者達には直接ブリザードから連絡が行われており、選手の選考も最終段階へと入っていました。
後に明らかになりますが、仮にグランドマスターズに選出された場合には「既に権利を有しているプレイヤーは予選に参加できない」というルールと相反してしまうため、候補者全員にマスターズツアーラスベガスへの出場が特別に付与されました。候補者になった選手はこちらのページの招待選手になっており、確認することができます。

そのため、多くの有名プレイヤーは予選には参加しておらず「きっとあの選手はグランドマスターに選ばれたんだな」等の噂話が出回り始めました。

そんな中、ただ一人だけ予選に参加し続けている世界王者がいたのです。

2015年度世界王者、Ostkaka。

日本人で唯一世界大会に出場したKno選手も参加していた大会にて優勝したのが彼です。
そんな彼が何時間にも及ぶ過酷なマスターズツアーラスベガスの予選に毎日のように参加し続けていました。

2017年12月、彼は当時スポンサードを受けていたチームAllianceから脱退し「休息をし、ハースストーンを再評価したい」と宣言して、HSから距離を置くことを明かしました。
その後、しばらくの間は表舞台から姿を消してはいましたが、それまでの実績を考慮すればグランドマスターズに選出されるべき選手です。

確執なのか、それとも辞退したのか。もし辞退したのであればなぜ彼は予選に出続けているのか。。。
様々な憶測が飛び交いましたが、実際はもっと意外な理由でした。

「メールを、スルーしていた」

2018年度の世界選手権。ここでグランドマスターズの開幕を告げるセレモニーも行われました。
その会場にOstkakaもスター選手として招待され別のイベントに参加していましたが、仲の良い選手達と話をする中で、自分が重要でないと判断したメールがグランドマスターズへの招待メールだったことを知ったそうです。

その時のことをTwitLongerに投稿しています。
内容を簡単にまとめると、2月に既にメールにて連絡があり、そこには「2019年度のハースストーンのeスポーツプランについての議論をしたい」と書かれていたが、既にリークや噂話にてその話は聞いていたため時間を割く必要が無いと判断し返信は行わなかった。そしてそれがグランドマスターズへ繋がっていた、とのことです。更に、既にラスベガスの予選にも参加をしてしまっていたため、特別招待を受けることもできないとの返事を受けたことも明かしています。

幸いなことに、マスターズツアーへの権利だけは後に発表された追加の招待制度で手に入れることができ、現在は競技シーンに復活し活躍するOstkaka選手ですが、すれ違いと思い込みからメールに返信をしなかったことで「グランドマスターになれなかった唯一の世界王者」となってしまったのでした。

エピソード2. わき見運転

シーズン2も中盤を迎えた頃、残留争いが激化する中で次の出来事は起きました。
第4週3日目の9月15日、Bozzton選手とSeiko選手という組み合わせ。
いずれの選手も激戦のEU地域にて前年の獲得ポイント上位にて招待された実力派の選手同士の対戦でしたが、思わぬ形で決着することとなります。

OTKパラディンを使用するSeiko選手が《トラのロア・シャヴァーラ》をプレイし、《悪意の銀行家》でデッキに戻すことなくターンを終えたのです。これにより、《聖なる怒り》《トラのロア・シャヴァーラ》のコンボは達成不可能となり、そのままこの試合を投了することになりました。

トッププレイヤーからもその卓越した技術と安定感から非常に評価の高いSeiko選手が行ったこのプレイには、多くのファンはショックを受けました。
そしてその原因が、直後の本人のツイートから判明しました。

その内容は「今週オートチェスの予選大会に出るのはいい考えとは言えなかったが、既に多くの練習をしてきていた。落ち着いたあと、またこの失敗から戻ってきたいと思います。」というものでした。このツイートは直後に削除されました。

そう、Seiko選手は他のゲームの世界大会の予選に参加しながら、同時にグランドマスターズの試合を行っていたのです。
確かに試合を振り返ってみると、Seiko選手は自分のターン以外は終始うつむいており、何か他の事に集中している様子が見て取れます。

直前のターンも画像のように下を見ながら何かを操作しているようでした。

このツイートの直後から、twitterにて大きな話題となり、Seiko選手に対して多くの批判の声が集まることになりました。
それを受け、Seiko選手本人よりTwitLongerにて謝罪コメントが掲載されました。

簡単にまとめると「今回の件がこんなに話題になると思っていなかった。オートチェスには十分な練習時間を掛けていたためどちらのゲームも問題なく同時にこなせると思っていたが、ハースストーンのプレイが粗末なものになってしまった。オートチェスの大会はまだ残っているが、ハースストーンがメインなので辞退する。皆さんを失望させたことを申し訳なく思っている。」という内容です。

実際にSeiko選手はブリザードのeスポーツ担当に対して、出場しても問題が無いか問い合わせを行っていたとのことですが「可能なのであれば問題ない」という返答があったということで参加を決めたそうです。

その後、事態の鎮火を図るため、ブリザードのeスポーツ担当者であるDrew Higbee氏がコメントを投稿します。

内容は「私たちはSeiko選手の希望したスケジュールに対応することができなかった。また同時にプレイするという認識はなく、前後でオートチェスの大会に参加するものだと誤った認識をして対応をした。私たちの対応が混乱を呼び、コミュニケーションが不十分であったことを認めて謝罪します。Seiko選手はグランドマスターズの試合に参加するか、欠場するかをルールに従って判断することになります。」というものでした。

これ以降、Seiko選手はハースストーンを最優先し、全てのグランドマスターズの試合に真っすぐに向き合い試合を行いました。
その結果、最終週までもつれた熾烈な残留争いをギリギリで制し、来年度の参加を確定させました。

また、他のゲームの大会については宣言通りグランドマスターズと重複する試合は辞退し不戦敗となっています。
複数の対戦の総合成績にて順位が決まる仕組みのため、1試合不戦敗するだけでも非常に厳しい戦いとなります。
が、それでも残る試合の成績が良かったため、Seiko選手はヨーロッパ代表として賞金1億円の世界大会への参加権利を獲得することになります。

圧倒的なゲームセンスを見せたSeiko選手、今年はハースストーン一筋で更なる活躍を期待したいところです。

エピソード3. 処分と謝罪

長いリーグ戦の締めくくりとなるシーズン2最終週に最後の、そして最も大きな出来事が起こりました。

勝利を収めたblitzchung選手が勝者インタビューにて、政治的な発言を行ったとして、グランドマスターズからの降格、シーズン2における賞金の没収、1年間の出場停止処分が下されたのです。その発言はキャスター誘導の元で行われたとして、その際のキャスターにも処分が下りました。

具体的な内容としては、香港デモのスローガンを言ったというものです。
これが、ハースストーングランドマスターズオフィシャルルールの6.1「公衆または一部のグループを不愉快にする行為、もしくはブリザードのイメージを悪くする行為」に当たるということでした。

この一件は、世界中で大きな話題となりました。
特にアメリカではブリザードの本社にて香港デモを模した抗議活動が行られたり、テレビではeスポーツ評論家がニュースに招かれ、twitterでは上院議員が意見を述べる等、メディアでも大きく取り上げられました。
eスポーツ元年の日本でも大きな話題となり、非常に多くのメディアがこの問題を取り上げました。

そういった世界的な動きを受けて、なんとブリザードの社長であるJ Allen Brack氏自らが公式サイトにて異例のコメントを行いました。

この中で、ブリザードの理念や今回の判断に至った経緯について言及されたのちに、blitzchung選手への処分を軽減し、グランドマスターズへの残留、賞金の付与、出場停止期間を1年から6カ月へ短縮することが発表されました。
更には、ブリザードの祭典であるBlizzCon2019のオープニングセレモニーは、J Allen Brack氏自らが登壇し、年に1度のお祭りも一連の騒動に対してと思われる謝罪から始まることとなりました。

これを受けてblitzchung選手も自身の見解についてコメントを行いました。

その中では、実際に電話にてブリザード側から説明があったことと、グランドマスターズへ残ったことについての感謝が語られています。
しかし、半年後の競技シーンへの復帰については、時間をかけて考えたいとしていました。

そんなblitzchung選手ですが、11月1日、アメリカの有名チームであるTempo Stormのハースストーン部門に所属することが発表されました。
大会への出場ができない間は、配信活動や海外メディアでの活動を中心に行っていくとのことです。

競技シーン、そしてハースストーンから離れないことを選択した彼の更なる活躍に期待したいところです。

2020年の展望

以上が2019年のグランドマスターズにて起きた印象深い出来事です。
細かな出来事も含めて振り返ってみると「選手と運営サイドのコミュニケーション不足による思い違いや判断のミス」によるものが多いように感じます。
これは初年度であったということもあり手、来年度以降は改善していくことに期待したいところです。

また、2020年シーズンは選手の入れ替えも活性化させていく方針であるということがシーズン2開始時に示唆されています。
昨日でシーズン最初のマスターズツアーであるアーリントンの予選も完全に終了し、いよいよ始まろうとしている2020年シーズン。どのように変わっていくのか楽しみです。

グランドマスターズには、昨年度出場していたBeerBrick所属のAlutemu選手Glory選手に加えて、2019年シーズンにアジア地域賞金王に輝いたposesi選手も参加が決定しています。
日本人の更なる活躍も楽しみですね。

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