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ハースストーン/Hearthstoneにおける、強いデッキと使い方をまとめています。

ハースストーンのゲーム仕様が変更-「した時」「した後」の効果など修正

2017/10/16

ハースストーンはデジタルTCGとして非常に高い完成度を誇りますが、ごく稀に非常に理解が難しい処理が入る場合があります。Blizzardより2017年10月13日に発表されたのは、そういった複雑な処理をしていた部分を簡略化し、ユーザーが迷わないようにする仕様変更の実施です。どういった部分が修正されるのか詳細を記載します。

今回修正される2つの仕様

①「した時」に場に居なかったカードの「した後」の効果が発動しない

まず、現状の「した時」「した後」のテキストの違いについて説明します。

「した時」「した後」の違い

「した時」:呪文を使用した時、発動した呪文の効果の前で効果が発動
「した後」:呪文を使用した後、発動した呪文の効果の後で効果が発動

具体例として《ヴァイオレット・アイの講師》(した時)と、《熱狂する火霊術師》(した後)を挙げます。今までこういった盤面に遭遇したことはありませんか?

スクリーンショット 2017-10-13 11.48.30スクリーンショット 2017-10-13 11.49.09

1.盤面に《ヴァイオレット・アイの講師》が存在する時に《マインドゲームス》を使用
2.呪文を使用「した時」《ヴァイオレット・アイの講師》の効果で1/1トークンが召喚
3.呪文の効果によって相手のデッキから《熱狂する火霊術師》のコピーが召喚
4.呪文を使用「した後」《熱狂する火霊術師》の効果でフィールド全体に1点ダメージ

今回のアップデートより上記の現象は起きなくなります

「した時」に場に居なかったカードの「した後」の効果が発動しないため、今後は呪文を発動した時に《熱狂する火霊術師》が盤面に召喚されていない限り効果が発動しません。
スクリーンショット 2017-10-13 12.02.49

これは、以前Redditでも記載された《告死隠者スロール》の進化効果で召喚「した後」に発動する効果を持つミニオンが召喚された時に、効果が発動してしまう不具合のような現象を取り除くためのものでもあります。(《モグリの薬屋》《進化》で場に出た時に他のミニオンの分だけダメージが入る仕様)

②能力の処理順の変更

これは具体的に説明していかないと難しい仕様です。
スクリーンショット 2017-10-13 12.12.38
上記は《ボルヴァー・フォードラゴン》《魂の残響》を発動したあとにその《ボルヴァー・フォードラゴン》が破壊された場合の画像です。破壊された時には手札に居なかった《ボルヴァー・フォードラゴン》が効果を適応されています。

これは、ハースストーンのゲームの処理の問題です。今までは「ボード」→「手札」→「デッキ」の順で効果を適応していました。これによりボードで破壊された《ボルヴァー・フォードラゴン》の断末魔効果が先に発動し手札に戻ります。そして手札にある《ボルヴァー・フォードラゴン》の効果が発動、といった仕様です。

この仕様が今後「ボード・手札・デッキを全て最初に参照する」に変更されます。これにより、効果の発動時に存在しなかったカードには効果が適応されなくなります。

詳細な効果と処理順

具体例を2つあげていますが、開発的にどういった判定がされているのか下記を見ることでわかります。

今回のアップデートによりゲームのコア部分に大きな変化は現れませんが、一部分においては挙動が変更されます。

まずは用語の説明から

イベント

イベントとは、イベントとは、ゲームプレイ全体で発生するカードの相互作用を指す。

イベントの例

カードがプレイされた時
カードがプレイされた後
カードが破壊された時(断末魔)
ミニオンがダメージを受けた時
自分のターンの終了時

トリガー

トリガーとは、「イベント」に紐づく「カード効果」

トリガーの例

・自分が呪文を使う度、攻撃力+1を得る
・自分が呪文を使用した後、全てのミニオンに1ダメージを与える
・自分のターンの終了時、自身を除くランダムなミニオン1体に体力+1を付与する
・自分のターンの終了時に秘策が準備されている場合、+2/+2を得る

ゾーン

ハースストーンにはトリガーが発生する3つのゾーンがあり(盤面・手札・デッキ)、それらは順番に発生します。

シークエンス

シークエンスとは、発動及び効果処理の一連の動きを指します。

基本的なシークエンスは以下の動きとなります。

1.アクション:カードがプレイされた (ここでシークエンス開始)
2.イベント:カードがプレイされた時のイベントが発生
 └カードがプレイされた時のトリガーを処理
3.カード効果が発動
4.イベント:カードをプレイした後のイベントが発生
 └カードがプレイされた後のトリガーを処理
盤面に《クエスト中の冒険者》《フレイムウェイカー》が居て《フロストボルト》をプレイした場合のシークエンス
1.アクション:フロストボルトがプレイされた(ここでシークエンス開始)
2.イベント:カードがプレイされた時のイベントが発生
 └《クエスト中の冒険者》が+1/+1を得る
3.カード効果が発動:《フロストボルト》の効果を処理
 └キャラクター1体に3ダメージを与える、凍結させる
4.イベント:カードをプレイした後のイベントが発生
 └《フレイムウェイカー》が全ての敵にランダムに合計2ダメージを与える

簡易的なシークエンスでしたが、シークエンスには多くのイベントとトリガーが取り込まれています。
ただし、ダメージを受けた時、ミニオンが破壊された時などの効果を持つカードが存在した場合は、下記のようにイベントとイベントの間に新たなシークエンスが発生します。

1.アクション:フロストボルトがプレイされた (ここでシークエンス開始)
2) イベント:カードがプレイされた時のイベントが発生
 └《クエスト中の冒険者》が+1/+1を得る
3) カード効果が発動:《フロストボルト》の効果を処理
 └キャラクター1体に3ダメージを与える、凍結させる
4) 新シークエンス:ダメージを与えた時の処理が発動
5) イベント:ミニオンがダメージを受けた時のイベントが発生
6) イベント:カードをプレイした後のイベントが発生
 └《フレイムウェイカー》が全ての敵にランダムに1点ダメージを与える
7) 新シークエンス:ダメージを与えた時の処理が発動
 └イベント:ミニオンがダメージを受けた時のイベントが発生
8) 《フレイムウェイカー》が全ての敵にランダムに1点ダメージを与える
9) 新シークエンス:ダメージを与えた時の処理が発動
 └イベント:ミニオンがダメージを受けた時のイベントが発生

①シークエンスの処理仕様変更について

上記が用語の説明でしたが、これを踏まえて説明します。

・何かしらトリガーが発動するには自分のカードが盤面に存在する必要がある
・シークエンスの開始時にトリガーが存在すること
└このルールを設けたことで、カードをプレイする時(またはダメージを受けるor与える・攻撃をした時・破壊された時)は、盤面にいるミニオンだけ考慮すれば良くなります。
以前はシークエンスの途中でも関連するイベントが発生したらトリガーも発生しました。今後はシークエンスの開始時に全てのトリガーが検証されます。(例にあげた《マインドゲームス》+《熱狂する火霊術師》など)

この変更により修正される仕様

・自分の盤面に《西風のジニー》がある時、敵のミニオンに《埋葬》を使用した場合に《西風のジニー》の効果により、自分の《西風のジニー》も自分のデッキにランダムな位置に追加される現象
(《埋葬》をプレイすると、敵のミニオンが自分のデッキに追加した時点でそのミニオンが味方になるので、《西風のジニー》の効果も有効になっていた。)
アップデート後:《埋葬》のシークエンス発生時に敵ミニオンはデッキの中にいないため敵ミニオン扱いされ、《西風のジニー》がデッキに戻ることは無い

②ゾーンの処理順変更について

このアップデートにはもう1つ変更が入ります。違うゾーンでのトリガーの処理です。

変更前

この仕様では、新たなトリガーがシークエンスの途中から発生していました。(例にある《ボルヴァー・フォードラゴン》+《魂の残響》)

1)プレイヤー1の盤面に存在しているカードを検証し、有効な効果を発動させる
2) プレイヤー1の手札に存在しているカードを検証し、有効な効果を発動させる
3) プレイヤー1のデッキに存在しているカードを検証し、有効な効果を発動させる
4) プレイヤー2の盤面に存在しているカードを検証し、有効の効果を発動させる
5) プレイヤー2の手札に存在しているカードを検証し、有効の効果を発動させる
6) プレイヤー2のデッキに存在しているカードを検証し、有効の効果を発動させる

変更後

全てのトリガーを最初に検証します。この時決まったトリガーの順序に一切の変更はありません。

1) 全ての盤面を検証
2) 全ての手札を検証
3) 全てのデッキを検証
4) プレイヤー1の盤面を検証し、有効の効果を発動させる
5) プレイヤー1の手札を検証し、有効の効果を発動させる
6) プレイヤー1のデッキを検証し、有効の効果を発動させる
7) プレイヤー2の盤面を検証し、有効の効果を発動させる
8) プレイヤー2の手札を検証し、有効の効果を発動させる
9) プレイヤー2のデッキを検証し、有効の効果を発動させる

この変更により変更される仕様は下記です。

カードをプレイした時

プレイヤー1のボード上に《マッドサイエンティスト》があり、そしてデッキに《鏡の住民》がある。プレイヤー2が《暴走コドー》を召喚した場合。

アップデート前

1) 《暴走コドー》の効果により《マッドサイエンティスト》を破壊
2) 《マッドサイエンティスト》の効果により《鏡の住民》が使用
3) 《鏡の住民》の効果により《暴走コドー》を自分の盤面に召喚

アップデート後

1) 《暴走コドー》の効果により《マッドサイエンティスト》を破壊
2) 《マッドサイエンティスト》の効果により《鏡の住民》が使用
3) 《鏡の住民》の効果は発動しない。なぜなら《暴走コドー》を召喚した時点には盤面に存在しなかったからです。

ミニオンが破壊された場合

プレイヤー1の盤面に《手動操縦のスカイ・ゴーレム》《ウィスプ》がある(その順番に召喚した)時に、プレイヤー1が《デスウィング》を召喚し雄叫びの効果により自分以外の盤面のミニオンを破壊し、《手動操縦のスカイ・ゴーレム》の断末魔により《カルトの教祖》(ランダムに)が召喚された場合。

アップデート前

《カルトの教祖》の効果によりプレイヤー1がカードを1枚引く(《ウィスプ》の破壊より)

アップデート後

《カルトの教祖》の効果は発動しない、なぜなら《ウィスプ》が破壊された時に盤面に存在しなかったからです。

ミニオンが召喚された時

プレイヤー1のボード上に《飢えたハゲタカ》《ドグサレガオ》があり、プレイヤー1のデッキから引く次のカードは《フレイム・リバイアサン》の時にプレイヤー1が《サバンナ・ハイメイン》を召喚した時。

《飢えたハゲタカ》の効果により、プレイヤー1はカードを1枚引く。《フレイム・リバイアサン》の効果により、盤面の全てのミニオンに2ダメージ与える《ドグサレガオ》の効果により、《霊の歌い手ウンブラ》(ランダム)が召喚された時。

アップデート前

《霊の歌い手ウンブラ》の効果により、《サバンナ・ハイメイン》の効果を発動させ、《ハイエナ》を2体召喚

アップデート後

《霊の歌い手ウンブラ》の効果は発動しない。なぜなら《サバンナ・ハイメイン》が召喚された時点にはボード上に存在しなかったからです。

この記述は海外公式ブログに掲載された記事を元に記載されています。

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